振り返り企画、映画編です。
過去に見た映画を再視聴して、簡単にレビューしていきます。
映画はぼくを作っている大事な要素のひとつ。
できれば映画館で見て、音、映像、空気、すべてを味わいたい!
映画はストーリーだけでなく、空間そのものを演出しているものだと思ってもらえるような紹介をしていきたいです。
「ストレンジャー・ザン・パラダイス(原題:Stranger Than Paradise)」
監督:ジム・ジャームッシュ
脚本:ジム・ジャームッシュ
公開年:1984
制作国:アメリカ
第3回はジム・ジャームッシュの初作品「ストレンジャー・ザン・パラダイス」です。
メインの登場人物は男2人、女1人、なにも起こらないはずがなく…
なにも起こらない。本当になにも起こらない映画です。
もちろんその過程にはいくつもの会話とすれ違いがあるわけですが、あらゆることがかみ合わず、最後まで何も起こらないのです。
多くの人は映画とはストーリーを楽しみにするものだと思っているのではないでしょうか。
そんな方々にとってはこの映画は強烈なアンチテーゼとなります。
むろん会話劇そのものや後半のロードムービー的な側面を楽しむこともできるかと思います。
しかし、この映画の魅力は空気感、そのものです。
恋愛という関係性が存在しうることを前提とした、恋愛以上友人未満という男女の人間関係を体現した映像が最初から最後まで続いていきます。
映画がラストを迎えたとき、心に残るのは爽快感でも、不快感でもなく、ただただもどかしさが後を引いて残り続けるでしょう。