振り返り企画、小説編です。
以前読んだ小説を読みかえして、簡単にレビューしていきます。
ぼくの3つめの大事な要素は、小説。
小説は小さい頃からよく読んでいて、ぼくの妄想力とか考え方の基礎になっています。
ケモノと小説の繋がりをもっと作りたくて、2020年のJMoFでは「おしぼん」という企画を、今年は「ケモノストーリーコンテスト」を立ち上がるに至りました。
たんぽぽ娘(原題:The Dandelion Girl)
著:ロバート・F・ヤング
初版:2013年(過去に多数訳あり)
発行:河出書房新社
今回はSFの名作短編、「たんぽぽ娘」を紹介します!
ぼくはSFが大好物です。
ライトなものからヘビーなものまで読みます。
本作品は比較的ライトなSFでありながら、緻密な世界観設計と感動的なラストで非常に人気が高いです。
ストーリーの巧妙さもさることながら、詩的な描写が全編を通して際立っています。
特に、「おとといは兎を見たわ、きのうは鹿、今日はあなた」というフレーズの美しさはこの作品の価値を数段上のものにしています。
このフレーズは作品中で何度も繰り返し出てくることも、その印象を強めています。
その発言をした少女の正体は誰なのかという謎が明かされるとき、非常に短いながら壮大な愛の物語が幕を閉じます。
この作品集には他にもヤングのライフワークとなっていた「宇宙クジラ」の話など、読みやすいライトなSF作品がたくさん入っているので、SFと聞くと難しそうというイメージがある人でも、ぜひとも読んでいただきたい1冊になります。