振り返り企画、小説編です。
以前読んだ小説を読みかえして、簡単にレビューしていきます。
ぼくにの3つめの大事な要素は、小説。
小説は小さい頃からよく読んでいて、ぼくの妄想力とか考え方の基礎になっています。
ケモノと小説の繋がりをもっと作りたくて、2020年のJMoFでは「おしぼん」という企画を、
今年は「ケモノストーリーコンテスト」を立ち上がるに至りました。
時計館の殺人
著:綾辻行人
初版:1991年(新装改訂版2012年)
発行:講談社
ぼく史上最高のミステリー小説、「時計館の殺人」を紹介します。
綾辻行人は最近の若い人だと「Another」で知っているかもしれませんが、1990年代初頭に日本の新本格推理小説のブームをひき起こした第一人者なのです。
そのきっかけとなったのが、デビュー作である「十角館の殺人」という作品で、これにより一気に人気作家になります。
その作品に続いて作られた館シリーズは現在9作品が執筆されており、そのうちの5作品目がこの「時計館の殺人」になります。
いきなり5作品目から紹介してもいいのか?と思う人もいると思いますが、なにしろぼくが初めて読んだ綾辻行人作品がこの「時計館の殺人」なのです。
実際過去作を読んでいなくても十分楽しめ、その後過去作を読んでから読み返して二度楽しめました。(更にいうならその後何度も読み返していますが、毎回面白いです)
館シリーズの特徴として、毎回変わった屋敷を舞台にしているということがあります。
屋敷にはからくりが仕掛けられており、それが殺人にも利用されます。
推理小説として、後出しのトリックはずるでは?と思うかもしれませんが、少しずつそれが判明することと、どこにからくりがあるのかを想像する楽しみがあることで、推理小説としての面白みは逆に倍増しています。
この「時計館の殺人」でも大胆なトリックが使われ、それにより壮大な話になっています。
更に素晴らしいのが、その壮大なしかけの背景に描かれるストーリーです。
殺人が起こるのには裏に人間関係があり、歴史があります。
それが大がかりのしかけの判明と共に解き明かされていく爽快感は、大作推理小説ならではです。
ぜひともみなさんにもこの感動を味わっていただきたいです。