今日は「『利他』とは何か」という本のレビューをします。
「利他」とは、文字通り「他人に利益がある」ようなことを指します。
深刻な危機に直面したいまこそ、互いに競いあうのではなく、「他者のために生きる」という人間の本質に立ちかえらなければならない
「利他」とは何か、pp.3(ジャック・アタリの発言)
この発言をはじめとして、コロナ禍とよばれる今の時代、大事なキーワードとして「利他」があるそうです。
この本では様々な側面から「利他」の本質を見つめるようなものになっています。
しかし最終的に行き着く答えは、「利他」を意識的に強めていくとそれはわがままに映り、かえって「利己」的なものとして捉えられてしまうといったように、「利他」の難しさを明らかにしていっています。
そこには既に利己/利他の二元論はありません。
ところでケモノのコミュニティにおいて、着ぐるみの活動は利他的な側面を強く持った活動ではないかと思うのです。
もちろん着ぐるみを着るのは自分のためだという人もたくさんいるでしょう。その一方で相手がいないと着ぐるみを着ることは少ないという人もたくさんいます。
そして、着ぐるみを着てもらうことを喜ぶ人もたくさんいるのです。
まさにWin-Winな活動です。
まだ成熟しきっていない原始的なコミュニティであるこのケモノコミュニティにおいて、着ぐるみを介したアクティビティは、まさにこの本の論者たちが理想としている関係性なのではないでしょうか。
そして、その関係性こそがこのコミュニティを強くしていくに違いありません。
着ぐるまーたちよ、自信を持って着ぐるみ活動をしよう!
たとえそれが自分のためだとしても、それはきっと誰かにとって幸せをもたらします。
そしてさらにはぼくらの生きる世界をよりよいものにしてくれるんじゃないか。そんな風に思うのです。