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ばけもトレースその12:映画編4、ラース・フォン・トリアー「メランコリア」

投稿日:2021年2月13日 更新日:

振り返り企画、映画編です。
過去に見た映画を再視聴して、簡単にレビューしていきます。

映画はぼくを作っている大事な要素のひとつ。
できれば映画館で見て、音、映像、空気、すべてを味わいたい!
映画はストーリーだけでなく、空間そのものを演出しているものだと思ってもらえるような紹介をしていきたいです。

「メランコリア(原題:Melancholia)」
監督:ラース・フォン・トリアー
脚本:ラース・フォン・トリアー
公開年:2011
制作国:デンマーク

ラース・フォン・トリアーはぼくの大好きな監督で、「ダンサー・イン・ザ・ダーク」という作品がカンヌ映画祭でパルムドール(最高作品賞)を受賞したことでも有名です。
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」は同時に鬱映画としても有名ですね。
こちらの「メランコリア」はその作品よりも後に撮られた作品で、以前の作品における、世の中や自然の大きさに対する、一人一人の人間のむなしさやはかなさの表現が、より一層強く反映されています。

この作品はSF作品となっており、超巨大惑星「メランコリア」が地球に激突し、世界が滅亡するときを、ある姉妹のみにフォーカスを絞って描いています。
前半部は姉の結婚式のシーンといるのですが、精神疾患の発作により台無しにしてしまい、結婚もなくなってしまいます。
後半部は更に姉の病気が悪化し、療養のために妹の旦那の別荘で療養しているシーンとなっています。
だんだんと「メランコリア」が接近し、妹はパニックに陥ってしまうのですが、その反面で姉は冷静に現実を受け入れるのです。
なお、この描写は監督のラース・フォン・トリアー自身がうつ病を患った際に聞いた、「うつ病患者は健常者より現実をありのままに認識できる」ということがもとになっています。

ストーリーもさることながら、映像と音楽が非常に美しいところも見所です。
自然の超現実的な美しさに圧倒され、世界の滅亡がちっぽけなことのようにも感じられます。
世界の滅亡というとパニックがつきものなのですが、こんな壮大で美しい終末もよいのではないでしょうか。

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